社長メッセージ
代表取締役社長 小山 貴史
エコワークスは
住まいづくりを通じて、
脱炭素社会の実現に
貢献して参ります
「エコワークス」を直訳すると「環境活動」。
社名に込めた想いは、
今も進化を続けています
よく「住宅会社と分からない社名ですね」と言われてしまいますが、「事業を通じて環境貢献し、社会のお役に立ちたい」という想い(ミッション)を社名に込めています。今では、ZEH※1やLCCM住宅※2を得意とし、住まいづくりを通じた脱炭素社会の実現に全力を注ぐ住宅会社というイメージが強いようですが、実は、創業時に掲げたコンセプトは、『自然素材でつくる、自然エネルギーで快適に暮らす』というものでした。
どちらかというと、住環境(健康)が7割、地球環境(省エネ)が3割といったバランスで、太陽の恵みを活かしたパッシブ的な考えと自然素材による健康的なライフスタイルを提案していました。2004年に熊本で創業した当時は、これほど近い将来に気候危機(地球温暖化)が叫ばれ、世界を挙げて脱炭素を目指す世の中になるとは思いもしませんでした。もちろん、エコワークスが今のような道を進んでいくことも予想していませんでした。しかし、決して私たちの進んできた道は間違っていなかったと考えています。私たちの住まいは、「木の家」×「性能」という分野において進化を遂げ、環境建築のトップランナーとして、多くの方に支えられ、人と地球にもやさしい住宅を多くの方に届けられているのですから。
※1.ZEH(ゼッチ):ゼロエネルギーハウスの略
※2.LCCM住宅(エルシーシーエム住宅):ライフサイクルカーボンマイナス住宅の略
「損得より先に善悪を考えよう」
理念から生まれた、
きれいな空気環境
エコワークスの理念のひとつに「損得より先に善悪を考えよう」という言葉があります。お客様応対時にはもちろん、商品開発時にもこの言葉を胸に刻み進めています。ここでひとつ、この言葉にまつわる商品開発のお話をしたいと思います。1995年、私が父の経営する住宅会社に身を置いていた頃、ある特集記事を目にしました。「建材から発生する化学物質による室内空気汚染と健康被害について」と題し、有識者から問題提起がなされたものでした。当時、シックハウスに関わる法律もなければ、その言葉すら世の中に知られていませんでしたが、当時、商品開発室長を任せられていた私は、「住まいが人の健康を害してはならない」と、すぐさま環境医学の権威である北里大学石川哲教授(当時)を訪ねたのです。
そして、先生のご指導をいただきながら、自社商品に使用する建材から揮発する化学物質量の計測をはじめました。毎日、測定すること丸1年。合板からの化学物質揮発量が大半を占めていることが判明したのです。手はじめに、床材や建具を無垢材に変更し、キッチンの扉も合板不可に。また、ビニールクロス(壁紙)を和紙や珪藻土へ変更しました。無染土イ草との出会いもこの頃です。結果、赤ちゃん基準の安心・安全なきれいな空気環境を実現することができました。時代は、高度成長期。自然素材は施工手間が増えると反対意見があったり、他の住宅会社からは、「やりすぎだ」と誹謗中傷を受けることもありました。それでも、この道を突き進むことが、「損得より善悪」であり、いつか自分たちのあたり前が世の中のあたり前になると信じてきました。当時の決心が、今のエコワークスへと繋がっているのです。
エコワークスが
地球環境へこだわる理由
未来の子どもたちへの贈り物
先述の通り、創業時は地球環境(省エネ)が3割だったわけですが、そのバランスを大きく変えたきっかけをお話しします。2007年、家族旅行中に偶然通りかかった東京大学。ふと目をやると、IPCC(気候変動に関する数千名の科学者から構成される、国際的な研究組織)の第4次報告書のシンポジウムが開催されていました。テーマは、「資源と環境が支える地球と人類の未来」。俯瞰して見ると、「人が暮らす地球も家みたいなものだな」。そんな事を考えながら聴講することにしました。そして、そのシンポジウムで配布された「科学者からの国民への緊急メッセージ」と題するレポートの末文に衝撃を受けたのです。
『世界に先駆け「低炭素社会の実現」という目標を共有し、国民ひとりひとりが自分の生活を見直し、温暖化ガスの低減のため何ができるか考え行動することを改めて呼びかけたい。今、行動を開始すれば、子どもたちと人類の未来を守ることができる』私はこの言葉に心が震えました。今、私たちにできることは何か?そう考えた時に、省エネ住宅をもっと社会に普及させていくことが、今やるべきことだと確信しました。これをきっかけにエコワークスは地球環境のエコに大きく転換していきます。社員向けの環境教育に力を入れ、エコ検定に全社員で挑戦するなど、地球温暖化への学びを深めることで、全社一丸となってベクトルを合わせていったのです。
環境建築への第一歩
ハイブリッドエコハウス完成
2009年、エコ住宅技術を集結したモデル「ハイブリッドエコハウス」を福岡県にオープンしました。このモデルは、太陽熱暖房と太陽光発電を同時に利用する環境技術を取り入れ、自然エネルギーを最大限に活かしながら、快適に暮らすことをコンセプトにしたモデルハウスです。先に申し上げておくと、本技術はイニシャルコスト面から現エコワークスとして採用していませんが、当時は最先端の環境住宅としてNHKや日経新聞などでご紹介いただきました。
本技術の実現にも多くの困難が待ち受けていました。開発のために多数の大手電機メーカーを訪ねましたが、ことごとく断られ、最後に残った1社だけが私たちの想いに共感してくださり、協力して下さることとなりました。今でもその感謝の気持ちを忘れることはありません。改めて振り返ると、このモデルが私たちの環境技術を世の中へ発信することとなった、第一歩だったのかもしれません。そして今日に至るまで、ひたむきに環境にやさしい住まいを届けるため、商品研究を重ねているのです。
オールジャパンで環境貢献
環境建築を多くの方に届ける責務
「社会のお役に立ちたい」私は、若いころから、強くそう考えてきましたが、今こそ2050年の脱炭素社会の実現に向けて環境にやさしい住まいを全国へ普及させていくべきだと考えています。そのために国のZEH委員会として活動してきた他、セミナー講師や視察協力、COP21への参加や執筆活動など、自分ができ得ることに全力を注いできました。そして、その想いは徐々に広がりつつあると感じています。同じ志を持つ住宅会社の経営者や有識者の先生方にもお力添えをいただけるようになり、まさに住まいづくりを通じて環境活動へと繋がりつつあります。微力であるということは承知のこと。それでも、未来の子どもたちへ今の地球環境を残すことができれば、企業の社会的責任を果たすことができると考えています。そして、私たちの取り組みが全国に広がっていくことを願っています。