土地がコンパクトであるため、完成するまでは「狭いのではないかと心配していた」とYさん。しかし、ダイニングには吹抜けもあって、2階の大きな窓からたくさんの太陽の光が降り注いで開放感たっぷり。天井の低いリビングから天井の高いダイニングに移動すると、高低差で視覚的にも体感的にも広がりを感じられる。「思ってた以上に空間の奥行きを感じられますし、梁を現しにした空間も気に入っています。庭の木は植えたばかりでまだまだ小さいですが、これからの窓辺の変化も楽しみです」と、満足の様子。
奥さまのお気に入りは、家事動線と家の随所にある収納「キッチンのそばに洗面台とランドリー、バスルームがあるので家事がしやくなりました。収納をいろんな場所にちょこちょことつくってもらえたのも便利です。打ち合わせの時に使いたいものと使いたい場所と、どれくらいの量があるかをお知らせください、と言われたので、設計さんにお伝えしたんです。空間をできるだけ有効活用しようと考えてくださったおかげで、廊下や階段下、リビングやキッチンなど、それぞれの場所に少しずつ収納があるので、さっと片付けられるんです。おかげで一旦、そこに置いておこう、がなくなって、部屋が散らからなくなり、ストレスがなくなりました」。
エアコン一台で全館暖房
木の良さ、性能の良さを実感
「戸建ては寒いのではないか」という不安も、床下エアコンによる全館暖房のおかげで杞憂に終わった。「床下にエアコンで暖かい空気を送り込むというシンプルな仕組みに驚きましたが、これで玄関の間まで家全体が暖まるんです。かげで冬の朝がイヤではなくなました。夏は2階のエアコンをつけてファンを回すだけで、家中が涼しくなります。断熱・気密もしっかりしているようで、広い空間でもエアコンがよく効くので快適です」。取材日はまだまだ寒さが残る3月上旬だったが、家族3人が裸足で過ごす様を見て、その性能に納得した。「1階の床は杉の浮造りで、足の裏に感じる凹凸が心地よいし、2階のヒノキの床もつるつるとしていて気持ちがいい。それに、木の調湿効果のおかげでしょうか。雨の日でも湿度を感じないし、冬の結露とも無縁になりました。無垢の木、珪藻土の塗り壁や和紙の壁紙などの自然素材が住み心地の良さをつくってくれているんだと感じています」。